わたしから、プロポーズ


久保田さんとの仕事は後半になり、ようやく一緒に楽曲編集をしたりと、『仕事』らしくなっていった。
そして、やってきたショー当日、トラブルは一切なく、大成功を収めたのだった。
会社としての宣伝も完璧で、視察に来ていた部長以上クラスの幹部が、瞬爾の手腕を褒めていた。
それに、心底ホッとしたのだった。

「それでは、本日はお疲れ様でした。ショーの成功は皆様のお陰です。今夜は打ち上げを楽しみましょう!」

美咲さんの掛け声で歓声が上がる。
途中、トラブルはあったものの、プロジェクトが成功して本当に良かった。
拍手をしていると、隣の遙が声をかけてきたのだった。

「プロジェクトが成功したのは莉緒のお陰ね」

「えっ!?どこが?トラブルらしきトラブルは、私が起こしたものだけだったのよ?」

思わず目を丸くする。
すると、遙は笑みを向けた。

「久保田さんてね、初対面の担当者には、必ず意地悪をして試すんだって」

「試す?」

「そう。わざとミスをさせて、その後の対応を見ているらしいの。もし、莉緒があのトラブルで諦めていたら、今頃クレームでプロジェクトは失敗だっただろうね」

「まさか•••」

そんな自分に都合のいい話を、簡単には信じ難い。
半信半疑の私に、牛島さんも声をかけてきたのだった。

「本当よ。坂下さんは頑張ったと思う。同じテで、何人の人が泣かされたか」

ケラケラと笑う牛島さんが、更に耳打ちをする。

「まあ、偉そうな事を言っても、彼も不純な理由で意地悪をしてるから。そうだ、今夜の打ち上げは残念だけど、坂下さんは久保田さんと行く様になるのよ。だから私たちとは、ここでお別れ。じゃあ、また一緒に仕事をしましょうね」

手を振り去っていく牛島さんの後ろ姿を見ながら、呆然としてしまった。
不純な理由とは何だろう。
それも気になるけれど、一番気になったのは言うまでもなく最後の言葉だ。

まさか、久保田さんと二人で打ち上げに行くっていうこと!?
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