A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 微かに聞こえる波の音。
 潮風の匂い。
 そして、海を照らす月明かり。
 そんなに留守にしていない筈なのに、何だかとても懐かしい気がする。
 目を開けると、美樹と彩は喫茶店『free-time』の前に立っていた。
 店の明かりは点いている。
 ドアを開けると、カランコロンと、聞き慣れたカウベルが鳴った。


「お帰り、2人とも」


 店のカウンターの中から、悠が笑顔で言った。


「ただいま、悠くん。諒くんも」


 荷物をテーブルに置きながら、美樹も笑う。
 諒はカウンターの椅子に座っていて、彩に言った。


「少しは成長したみたいだな」
「そうだよ。美樹のお母さんのおかげでね」


 得意気に言う彩。
 そして、ナップザックを床にドサリと置いて。
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