A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「悠くん、眼鏡曇ってる」
「うーん・・・ちょっと今、拭けないんだよね・・・」


 こっちを向いて苦笑する悠の眼鏡を、美樹はエプロンで拭いてやる。


「ありがと、美樹ちゃん」
「どういたしまして♪」


 そろそろ、シチューが出来上がりそうだ。
 リビングの方を振り返ると、彩と諒が庭で何やら動き回っている。
 また、いつもの“戦いごっこ”だ。
 悠に言わせれば、彩の為の戦闘訓練なのだそうだが・・・これをやっている時の2人はどう見ても楽しそうで、とても訓練と呼べる雰囲気ではない。


「あー!! 諒、今わざとフェイントかけただろ!!」
「フェイントにわざとも何もねぇと思うけど」


 屋根に飛び乗り、彩はぶすっとして諒を軽く睨んで。


「ズルい。正々堂々と勝負しよう!」
「・・・お前・・・」


 何の勝負なんだ、と、諒は呆れながら、そんな彩を見上げ。
 その時、学校から帰ってきた友香が、庭に顔を出した。
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