イジワル同期の恋の手ほどき

次の日の昼休み、久しぶりの定食屋から戻って、お弁当のレシピ本を見ていると、隣の月世が驚いた顔をする。

「あれ? 合格したのに、まだお弁当作るの?」

「聞いてよ、それがひどい話でさ……」

宇佐原とドライブすることになった経緯をひと通り話し終えると、月世は複雑な表情になった。

「確認するけど、デートじゃないのよね?」

月世も変なこと言うな。そんなわけないのに。

「もちろん。あいつとの関係、知ってるでしょ? デートなんてあるわけないよ」

そう断言しているのに、月世は半信半疑だ。

「ふーん? まあ、男と女はなにが起こるかわからないって言うけどね」

意味がよくわからず、きょとんとしてしまう。
宇佐原とは男と女なんて、そんな関係じゃないし、そんな展開になるわけないのに。
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