千紫万紅~君と見たい景色~
和気藹々な空間
和咲が倒れてから3日――、悠晴は悩みに悩んでいる。


雨島の言葉が頭の中でループしているからだ。



丁度今日から月が変わって終業式まで短縮、授業は午前で終わる。



「見ているだけじゃ始まらない、か…。」



和咲の言葉に少し引っ掛かった事もあり、雨島に言われたからではないと言い聞かせ、勇気を出して誘ってみることにした。




「雪ちゃんありがとうございました。さようなら。」


「さようなら、また明日ね。気を付けて帰ってね。」


「はい、失礼します。」



悠晴は、倒れてからは帰りも雪ちゃんに見てもらっている和咲を待ち伏せていた。



「は、萩野!」


「?なに?」



「あのさ…俺と…、俺と一緒に………俺と一緒に帰って欲しいんだけど!」
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