吸血鬼に誘拐された場合。

朝から身の危険を感じるとは。この世界はどれだけハードなの？

命がいくつあっても足りないと思う。


「…帰りたい」

「ダメ」

「！？」

いつの間にか目の前の椅子に座っていたギル。

気づかなかった。どれだけボーッとしていたんだろうか。


「ボーッとしすぎ。俺さぁ。今日休みなんだよ。買い物行くぞ」　

「うぇ？買い物？」

「お前の物。此処に住むわけだし？」



…本当に帰れそうにない。