君さえいれば
「んーどうだろうね。それが聞きたくて話しかけてきたの?」




「ううん。私、ずっと遠間さんと話してみたかったの。変なこと聞いてごめんね」




その日から律夏はあたしに積極的に声を掛けてくるようになった。



でも、あたしは心から律夏を信用していなくてどこかで警戒していた。だって、言葉の節々に遠野を諦めるようなことを言うから。




「ねえ、美月。3組の安藤くんってどう思う?」




「えっ?知らない。誰それ?」




「サッカー部のエースだよ。結構、美月とお似合いだと思うけどな」
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