秘密戦隊とホームレス宇宙人
第3話 ベルトの秘密
家の奥へと通される。

昼間なのに暗い。外からの光を遮断している。


「奥に、他の二人もいるから…」

いるのか…。二人っきりじゃないんだね。

でも、なんだかそういうやましい気持ちもなくなってきたよ。


廊下を歩き、奥の部屋に彼女を先頭に入っていく。

そこは、八畳ぐらいの部屋で、薄暗い明かりと、真ん中には四角いテーブル。それを囲むように服やゴミが無雑作に積まれていた。


「ここが“アジト”よ」

アジト…?

今時の女の子からそんな言葉が出てくるなんてビックリだ。

それ以上にショックなのは、気になってる女の子の部屋がこんなに汚かったからだ。

確かに子供の頃に遊んだ基地のような感覚はあるけど、アジトって…。

「アジトへようこそ…」

ゴミが喋った…!

いや、違う。薄暗くてわからなかったが、よく見ると奥に知らないおっさんがいる。


「連れて来ました。彼が、ガウベルトの能力者です」

彼女はおっさんに俺のことを説明しているようだ。

でも、ガウベルト?能力者って?

「えっと…名前…何だっけ?」
と、彼女が俺に訊いてきた。


「佐々木です」


「佐々木くんね。覚えた。あのおじさんは、ベルトを発明した人の、はとこの山田さん」


「はとこ?」

発明した本人じゃないのか…。というか、ほとんど他人じゃないか?


「よろしく」

博士のような白衣と眼鏡に白髪の山田さんは、ニッコリとしてくれたので、俺も丁寧に返した。
…苦笑いで。

「よろしくおねがいします」


「で、あっちが涼平」

桃子さんが指す左の方向を見ると、もう一人男がいた。タンクトップで金髪で、ガタイがいい。少し怖そうな印象だ。
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