秘密戦隊とホームレス宇宙人
第4話 共同生活
トイレを済ませると、仕方なく、さっきの部屋に戻ってきた。

だって、玄関に陣取っている虎は怖いし、桃子さんも怖い。

でも、腹をくくった訳じゃない。不安は消えない。

俺が不安そうにしていると、ハカセが声をかけてきた。

「大丈夫だって!」

全然大丈夫そうじゃない。だって…。

「もし、敵の方が強くて、洗脳されたらどうするんですか?」


「その時は……その時だ」

ハカセは首を横に振った。
ダメじゃないですか…。


「マジで…やんなきゃダメですか?」

俺の吐いた弱音に、みんなが注目した。


「佐々木君…?」

ハカセがキョトンとしている。

桃子さんは、キツイ目で俺を見ている。


「意気地なし!男のくせに何よ!?そんなに無理だと思うなら、やらなくてもいいんじゃない!?」


桃子さん…。
女々しい男なんだよ…俺って人間は。


「日本が……地球が危ないって言ってんのよ?誰かがやってくれるとでも思ってんの?警察とか、自衛隊とか、アメリカ軍がどうにかしてくれると思ってるの?」


「…」
桃子さんの問いに、俺は何も答えることが出来ないでいた。


「…救えるのは、能力を使えるあたし達しかいないんだからね…!」


確かに、俺にしか使えないチカラ…。


「佐々木君にも家族はいるでしょ?」


「…はい。います」


「大切な人を守りたいって思わない?洗脳されたり、殺されたりしちゃうかもしれないんだよ?」


桃子さんのその言葉が、その強い眼差しが、俺の心に響いた。

俺は頷くと、優しい顔をしている涼平を見た。
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