秘密戦隊とホームレス宇宙人
夕食を食べていると、ハカセがいつもより冷たい気がしてならなかった。
俺のほうをチラチラと見ながら、ハカセがこう言った。


「お前も…あれか…?チャラ男とかいうやつに目覚めたのか?」

「ち、違いますよ!これはレッドが勝手に…」

「ふぅん。あいつとは関わるな。アテにならん。あんな軽い奴には、地球を任せられん」


「……」

俺は、その時レッドの本当の想いを伝えたくて堪らなかった。
でも、これは男同士の約束だから、言うわけにはいかない。

自分の中でも、レッドがどうにかしてくれるんじゃないかって、淡い期待もかすかにあった。誰かがなんとかしてくれるんじゃないかって、どこかで思っていたんだ。


でも、強盗をやっつけてからの俺は、どこか違った。


「俺……明日から修行がんばりますんで、早めに悪からベルトを奪いましょう!」

「クロザイル…」

「クロちゃん…」

みんなが俺を見る目が、昨日と変わった気がした。

「見た目だけじゃなく、中身もかっこよくなったんすね!」

そう言って、涼平は俺の背中を叩いた。
―バチン


「いててっ…。お前力強いよ~」

「あ、すいません」

レッドだけにやらせてたまるか。
俺も前の俺とは違う。

足手まといになんかならないぜ。
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