秘密戦隊とホームレス宇宙人
「でも、ベルトを見ることで、洗脳されるというのがわかったわね。これは、大きな収穫じゃない?」
と、桃子さんが沈黙を破るように言った。


「もし、奴らと戦うと言うなら…あのベルトは見ちゃいけません」
と、言った磯貝に、涼平がこう言った。

「でも、洗脳からどうやって解けたんですか?」


「…それが、洗脳されて…コンビニでコータと、内藤を殺そうとしたとき……彼女の泣いている声が心に響いてきて…目が醒めたんです」

「…」

「彼女がいなかったら、ずっと醒めなかったかもしれない」

隣にいた内藤は、少し恥ずかしそうにしていた。


「でも、俺は二人を殺そうとしてしまった…!」

頭を下げて苦しそうな顔をした磯貝に、ハカセが温かい声をかける。


「いや、磯貝君。キミは洗脳されてたんだから何も悪くない。悪いのは、あんなベルトを作ってしまった私の従兄弟だ…」

「…」
リビングになんとも言えない空気が流れた。俺は沈黙を破るようにこう言った。


「いや、ハカセの従兄弟は宇宙の平和のために作ったんだから、悪くないです!悪いのは奪った奴らですよ!」

俺の言葉に、磯貝と内藤が注目して言う。


「宇宙…?」

「あ、いや、世界。世界の平和ね」

宇宙の説明をすると話がややこしくなり、二人のキャパシティーでは収納しきれないと思った俺は、言い直した。


「でも…洗脳も解けるんだね?」
と、桃子さんがハカセを見ると、ハカセは頷いた。

「…うむ。敵の洗脳の力もまだ弱いんだろう。だから解けたんだと思う」


「てことは、強くなったら解けなくなっちゃうってことですか?」

俺の問いに、ハカセは無言で頷いた。


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