君が見た秋の空
入院した事で、改めて脳の病気が怖い事がわかる義之。



ずっと寝たきりの人…


患者に取り付けた生命維持らしき機器の音が常に聞こえ廊下に響き渡る…



他にも同じように脳の病気を患っている患者と触れ合う事で、普通に出歩ける自分が恵まれている事に気付かされた。



建は、視力が著しく低く、移動は車椅子が必要な状態でガリガリに痩せている。



義之より重い症状だと見た目で分かる。



それでも、義之より明るく気さくだった。



気が付けば、1週間経ち1回目の検査入院が終わった。



病室を出ようとした時、建の母親が来て義之に声をかけた。



「義之君、建の話相手になってくれて、ありがとう。」



そう言うと、深くお辞儀をした。



礼を言うのは、こっちだと思い慌ててお辞儀をする。
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