ふたりのガーディアン
残されたあたしと蒼甫は、ぶらぶらと海岸沿いを歩き始めた。


「ちょっと、蒼甫の友達。
むちゃくちゃカッコイイじゃん。
連絡先教えてよ」


あたしがそう言うと。


「瀬名はやめとけ」


あっさり答える蒼甫。


「なんで?彼女いるの?」


「いないよ」


「じゃあ、いいじゃない」


「あのなあ、アイツが入学してから今まで何人の女子をフッたと思ってんだよ。お前が申し込んだって結果は見えてるさ」


「えっ?まさか彼、男が好きとか?

ま、まさか相手は蒼…」


「アホかっ、お前」


蒼甫が呆れた顔をしている。


「ま、とにかくさ。瀬名は無理だと思う。
お前結構モテるんだからさ、同じ高校で探せよ」


ウチの高校に、あんな美形男子はいないわよ。


はぁ…、ホントにカッコよかった。


せめて仲良くなりたいものだわ。


「明日から天候悪いらしいから、年内はもう海は無理ね」


「そっか。じゃ明日からは宿題でもすっかなー」


「蒼甫、いつまでセイさんとこにいるのよ」


「年越しは家に帰るけど、冬休みの間はこっちにいるよ」


「年明けも海出られるかどうかわかんないわよ?」


「いいんだよ。それでもこっちにいる」


ふぅん。珍しいわね。


冬休みの間ずっとこっちにいるなんて…。


ん?


もしかして、優月ちゃんが八さんのところでバイトしてるから?


へぇ…。


なんか…、面白くないかも。
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