ふたりのガーディアン
「今日同じクラスの女子に、竹内と付き合ってるのか?って聞かれたよ」


渋谷君がクスッと笑いながら言った。


「違うよって答えたんだけどね」


渋谷君は最近、髪が少し伸びた。


コンパクトな顔に前髪がかかって、前より少し大人びて見える。


キリッとしたカッコイイ顔だなと思う。


校庭に出ると、風が強くて思わず目を閉じた。


「寒いね」


「うん」


大寒の真っ只中。


この頃、本当に寒い。


「俺と噂になったら迷惑だよね?神崎や瀬名ならともかく」


「迷惑だなんて」


そんなことない…。


「渋谷君こそ、私と噂になってごめんね」


どうしてちょっと一緒に帰ったり、話をしたりするだけで、こういう噂が立つのかな?


正直、こういうのってすごくイヤだ。


「竹内」


渋谷君が急に足を止める。


「……どうしたの?」


私は渋谷君の顔を覗き込んだ。
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