ふたりのガーディアン
「コホンッ」


わざとらしい咳が聞こえる。


「ちょっと、それくらいにしてくんない?マジで妬けるから」


蒼甫君の言葉に、私と瀬名君はパッと離れた。


うぅぅ。顔から火が出そうだよ~。


「渋谷。渋谷が優月を助けてくれたんだな。ありがとな」


蒼甫君がにっこり笑う。


「あ、いや…。俺は別に…」


蒼甫君にお礼を言われて、渋谷君は戸惑っているようだ。


「で、犯人の顔は見たのか?」


瀬名君が口を開く。


「すぐに追いかけたんだけど、わからなかったんだ。学年もさっぱり見当がつかない」


蒼甫君と瀬名君がうーんと考え込んでいる。


「優月を狙ったのか、それともたまたま優月だったのか。そこがハッキリしねぇと、また再発する可能性もあるんだよな」


再発…?


蒼甫君の言葉に身震いして、私は自分の身体を両腕で抱きしめた。


そうしたら瀬名君が、そっと肩を支えてくれた。


「でも、待てよ。だとしたらあの写真は?」


そう質問する瀬名君に、蒼甫君がハッとしたように言った。


「犯人の目的は、最初から写真だったんじゃ?」


え…?


写真が目的??


「ね、ねぇ。その写真ってかなり出回ってるの?」


そんなの嫌だけど。


「いや、出回ってはいない」


じゃあ一体何が目的なの?


写真を撮るメリットって何?


「瀬名君達、その写真どこで見たの?」


「あれは甲斐が…」


えっ?静華ちゃんが?
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