ふたりのガーディアン

ホントの気持ち

俺らはある作戦を実行することになった。


考えたのは神崎だ。


俺は正直、こんなのがうまくいくなんて思えないけど…。


でも、竹内を守るためだからしょうがない。


俺は放課後、屋上に甲斐を呼び出していた。


重い扉が開いて、甲斐がこっちへ向かって来た。


「渋谷。何の用よ」


「まぁ、いいから座れよ」


そう言うと甲斐は、しぶしぶ俺の隣に座った。


「なんなの?一体」


外は寒いし、甲斐はイライラしているようだ。


「俺、別れたんだよねー。竹内と」


「はぁー?なんで?」


甲斐が飛び上がるほど、ビックリしている。


「まぁ、ぶっちゃけさー、フラれた」


俺の言葉に、甲斐はハッと強く息を吐いた。


「ったく、何してんのよ。
渋谷、中学の時も最後あの子にフラれてたじゃない。情けないわね」


「相変わらずキツイねー」


空が次第に暗くなっていく。


それでも、12月の頃の空に比べれば明るいけれど。


「なぁ、甲斐」


「何よ」


「フラれた俺を、なぐさめてくれない?」


「はぁー?何ふざけた事言ってんのよ」


甲斐は、呆れたような顔をしている。
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