ふたりのガーディアン
「英語だったよね?ちょっと待ってね」


私は教科書とノートを出した。


「よく見たら、ノートとり忘れてたところがあってさ。

え~っと、あっ、このページ」


「ちょっと待ってね」


私はそのページのノートを探した。


「これ?」


「そう!これ。

ここだけ俺、寝てたみたいで。

ノート写させてね」


私達は部屋の中央にある小さなガラステーブルに、向かい合うようにして座った。


蒼甫君は早速、長くて綺麗な指でノートを写し始めた。


私は文法をもう一度見直すことにした。


紙に字を書く音だけが、部屋に響いている。


レースのカーテンが揺れて、秋の心地よい風が吹いて来る。
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