ふたりのガーディアン
「なんだか深刻そうなお悩みねぇ」


そう言って、イチャさんが苦笑いをする。


試験中だけど、私はこの日バイトに来ていた。


「高校生の男の子なんて、頭の中、ほとんどそんなことばかりなんじゃないかしら?」


「うっ」


うそ…。そういうものなの?


「気をつけなくちゃいけないのはね。
男の子は欲望がものすごく強いから、女の子はそれを愛情だと勘違いしないことかしらね」


「えっ?好きだから、するんじゃないんですか?」


「男の子は好きでなくても出来るわよ。はっきり言って」


「えぇっ!」


やだ、なんかショックなんだけど。


「したいって言葉を『好き』にすり替えるのが男よ」


「……」


「無理強いするような男とか、拒否すると怒るような男はやめた方がいいわ。

女の子の気持ちを考えて、決して無理強いしない子が本物かもね」


そうなると斉藤君は、やっぱりさっちゃんの事を本当に大切にしているんだね。


「まあ男の子自身も、自分の気持ちが愛情なのか欲望なのか、はっきりわかってる子って、そんなにいないのかもしれないけどね」


うーん。なんだか難しいな…。
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