ふたりのガーディアン
あっ!そうだ。


こうなったら、あの衣装も着てしまおう。


それなら不自然じゃないもんね。


渋谷君のサイズなら、なんとか私でも着られそうだし。


私はメイク室に入り、ハンガーにかけられた衣装を身につけた。


白いハイソックスと黒くてぼっこりした靴も履いた。


出られるかなあ?


私は段ボールのパーティションから、ちょこっと顔を出した。


三人は話に夢中になってる。


よしっ。今だっ!出よう。


私は段ボールの壁から、飛び出した。


髪の毛でうまく顔を隠しつつ、蒼甫君達には背を向け、足早に教室の外へ出た。


廊下に出て、トイレへ駆け込む。


や、やったぁーー。


なんとかなったぁ~。


一人でガッツポーズをする。


トイレに入っていた女子にこの格好をジロジロ見られるけど、気にしない。


いいんだ、別に。


とにかく用が足せれば。
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