ふたりのガーディアン
急に話をふられて、蒼甫君はビックリしている。


「俺はそうだなー。おじきと一緒で、海で働く男になるのかなー」


そうだね。蒼甫君はそんな気がする。


サーフィン指導だって出来るし、海がすごく似合ってるもん。


「優月は?」


「えっ?私?」


私…そう言えば、何になりたいんだろう。


「うーん。何も思いつかない」


「え?漠然とでもねぇの?」


「うん…。全然ない」


「おいおい。大丈夫なのかよ。
三学期になったら、進路のこと聞かれるぞ」


「そうだよね。私、何も考えてなかった…」


蒼甫君に言われて、ちょっぴり凹んでしまう。


私って、そういうところがのん気なのかな…。


「まぁ、こういうことって焦って決めるものでもないし。

これからゆっくり、自分のしたいことを見つけていけばいいよ。

自分は何が好きで、どういうことに反応したり、どういうことに感動したりするのか。

そういうのを集めて、絞っていくんだ」


「そうだね…。ありがとう。瀬名君」


私のしたいことか…。


そろそろ、そんなことを考える時期になったんだね。
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