ふたりのガーディアン
この冬休みは、バイト、宿題、バイト、宿題の繰り返しで、結局友達には誰にも会えなかった。


こんなお休みはちょっと珍しかった。


バイトがなかった三が日は、ひとりでカメラを持って散歩をした。


町の景色を撮ったり、川を撮ったり、野良猫を撮ったりして、それはそれですごく楽しかった。


蒼甫君とは毎日電話で話をした。


電話の蒼甫君は、いつもの元気な感じとはちょっと違っていて、結構甘えん坊モードになる。


電話を切る頃には、いつも『会いたい』って言われた。


そう言われると、私もキュンとして、会いたくなってしまった。


そして、迎えた三学期。





「優月ちゃん、おはよっ」


「おはよう、静華ちゃん。クリスマスの時はありがとね。すごく楽しかった」


「ううん。こっちこそ楽しかったわ」


「おはよ~。優月ちゃ~ん、静華ちゃ~ん」


「さっちゃん、おはよう。あ、髪切った?」


「うん。少しね」


「いいじゃん。可愛いよー」


女の子達で盛り上がっていたら、渋谷君と斉藤君が一緒に教室に入ってきた。


「明けましておめでとー」


「おめでとー。何?あなた達、一緒に来たの?」


「あぁ。駅で偶然会ってさ」


「へぇ」


斉藤君と渋谷君って、2年になってから急激に仲良くなった気がする。


背の高さも同じくらいで、なんだかすごく良いコンビなんだよね。


いいコンビと言えば。


蒼甫君と瀬名君はまだかな?


「おーーーっす!」


うっ、この元気な声は……。
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