ふたりのガーディアン
「はーい。10分休憩でーす」


ふぅ。


とりあえず控え室に行こう。


「神崎、お疲れ」


「お疲れ」


俺は今日、ドラマの撮影でスタジオに来ている。


絡みの多い洋平も一緒だ。


俺と洋平は控え室のパイプ椅子に座って、用意されていた水を飲んだ。


「この制服いいよなー。ウチの学校もこんな制服ならいいのに」


「えー、そうかぁ?」


洋平とはいつも、たわいもない会話ばっかりしている。


結構楽しいからいいけど。


撮影の合間、ふと愛しい人を思い出す。


「明日も撮影だよな。優月と過ごす時間が減るなー」


「相変わらずお熱いねぇ」


そう言われて、ちょっと口元が緩む。


「まあな。

でもこれくらいで文句言ってたら、瀬名に悪いよな」


「ん?裕樹がどうかした?」


「アイツも忙しいけど、薫さんなんかもっと忙しいだろうから、デートなんかするヒマないんだろ?

同じ事務所だけど、他のモデル達の手前、仲良く話したりも出来ないんだろうし…」


洋平がびっくりしたような顔をしている。


なんだ?


どうしたんだ?


「お前、裕樹から何も聞いてねぇの?」


「えっ?何を?」


「あ、いや。知らないんならいいよ」


「えっ?なんだよ。すげぇ気になるじゃん」


「裕樹の口から聞いてねぇんじゃ、俺からは言えねーよ」


な…んだよ。
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