ふたりのガーディアン
「優月、おはよ。早いね」


「おはよ。蒼甫君こそ早いね」


「なんか、久しぶりな気がする」


「うん」


あの雨の日以来、全く話せていなかった私達。


コツコツと鳴る靴の音が教室中に響き渡り、私の席の前でその音は止まる。


私の真正面に静かに座る蒼甫君。


いつものように、両脚を広げて。


私の机に両肘をついて。


「優月。ちょっと目の下にクマが出来てる」


蒼甫君の指が、私の目の下にそっと触れる。


「ちょっと寝不足なの」


「眠れてないんだ?」


「……少し、ね」


そう言って、笑って見せた。


シンとした教室に、ふぅっとため息がこだまする。


「俺のせい……だよね?」
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