ふたりのガーディアン
イチャさんとタクシーで移動してフェリー乗り場に着くと、まだ少しだけ時間があったから、私はお土産屋さんに入った。


この島は観光地なので、お土産屋さんが充実しているようだ。


家になんか買って帰ろうかな?


甘いものがいいかな?


その時、私はある商品の前で足が止まった。


「なにこれ?可愛い」


私が手に取ったのは、小さなクマのぬいぐるみのストラップ。


男の子と女の子のクマが、仲良く手を繋いでいる。


あっ、これ二つに離せるようになってるんだ。


きっと、恋人同士で片方ずつ持つものなんだろうな。


それはいいんだけど。


ふふ、おかしくて笑える。


だって、このクマの顔。


蒼甫君にそっくりなんだもの。


蒼甫君が目を細めて、にっこり笑った時の顔に。


これ、買って帰ろう。


私はクマのストラップを購入した。
< 634 / 932 >

この作品をシェア

pagetop