ふたりのガーディアン
その日の夜、私は瀬名君に電話をかけた。


今までも何度か電話をかけたことはあったけど、何か用事がある時しかかけたことはなかった。


だから、かける時すごくドキドキした。


私は布団に入って、瀬名君とのおしゃべりを楽しんだ。


瀬名君の低くて優しい声が、耳に優しく触れる。


言葉数は少ないけど、瀬名君の声は癒されるから好き。


電話をしていると、なんだか瀬名君に会いたくなってしまった。


こんな私って、間違っているのだろうか…。


『なぁ、優月。前髪がちょっと伸びてたよな』


「うん。そうかも」


『短い髪ってロングよりマメに切らないといけないんだ。

今度の月曜に切ってあげるよ』


「ホント?」


『バイトの日?』


「ううん。月曜はないよ」


『じゃあ、月曜日に』


久しぶりに瀬名君とゆっくり出来るかも?


楽しみだな。


私は瀬名君への思いが、少しずつ募るのを感じていた。
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