ふたりのガーディアン
画面の上にYuzukiの文字。


「もしかしてこれ、優月なのか?」


「そうですよ。

旅のことを、その都度紹介してるみたいです。

顔写真も載ってますよー。

うわー、超美人さんじゃないですか。

ほら。ついさっきもつぶやいてますよ」


おいおい。まじかよ。


「向こうは朝なんでしょうね。

さっき起きたばっかみたいですよ」


そっか。時差があるもんな。


「蒼甫さん。早速フォロワーになりましょう」


俺は知り合いの俳優さんとか、タレントさん以外はフォローしてないんだ。


素人さんにはするなって言われてるし。


でも、優月は特別だからいいんだ。


「よし。これで蒼甫さんは、Yuzukiさんのフォロワーになりました。

って、あれ?

Yuzukiさんって、蒼甫さんのこと、フォローしてるみたいですよ」


「は?」


「気づいてあげてないんですね。

初恋の人なのに。

ひどいですね」


「何十万人もフォロワーがいるのに、どうやって探せってんだよ!」


「ま、そりゃそうですけど。

とりあえずダイレクトメッセージを送ってみましょう。

さ、打ってください」


うーん。


何にしよう。


えっとー。


『優月、久しぶり。
蒼甫です。
写真集、見ました』


「これでどうかな?」


「簡素ですけど、まぁいいでしょう。

それじゃあ、送信っとな。

とりあえず、お茶でも飲んで待ってましょうよ」


俺とミキトはコーヒーを飲んだ。


あ、俺はもう苦いコーヒーも飲めるようになったからね。
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