ちょこれーとぼーい(♂)












 「ふわぁ〜…。」





 大きな欠伸が口から漏れるそんな朝。



 朝練で涼太が先に行ってしまい

 悠馬も"友達"と学校に行くと断られ…、


 1人悲しく冷たい風が

 どこぞなく入ってくる寒い廊下を歩く。






 …ブーブーブー。





 携帯のバイブが暴れるように

 ポケットの中で動き回る。





 携帯を学校に持って来てるのを

 先生や生徒にばれると没収される。



 サイレントモードにしてない自分に腹を立て

 メールを送ってきた誰かに恨みながら



 周りに気がついた人はいないか

 きょろきょろと見渡す。





 …きっと今の私は変な人だろう。






 しかしみんなは何食わぬな顔をして廊下を歩いていく。





 ……よかったばれてない。





 数秒経たないうちに

 暴れていた携帯のバイブは静まった。



 きっとこれはメールだろう。



 こんな時間にメールを送ってくれる

 優しい人なんて

 そんな友達私にいただろうか。





< 210 / 274 >

この作品をシェア

pagetop