アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

ぶつかったビジネスマンが、私の前にまわりしゃがむ。


「君っ、大丈夫か?!」


ペタンと座り込んでる私の顔を覗きこむ


「あ、はい、なんとかっ…っ…いったぁ…」


顔面殴打を避けようと咄嗟に出した左手も
変なふうに支えてしまったから少し痛むし
まだ痛む足も痛くて力が入らず立ち上がれなかった。

うそ、もぉ、ヤダ…、大事な時になんでよぉ…
悔しくて涙が出そうになった。


「とにかく、医務室、行こうっ 立てる?」


そう言って私を立ち上がらせようと差し出された手に
私が手を伸ばそうと上を向いた時…
彼は、私の顔に視線を置いたまま、固まってる…


「あ、あの…?」


私の顔に何かついてるのかなぁ…
それとも…
この人と会ったことがあったりして…

なーんて…ね…


「…彩…月?…」

え? 私の名前…


「はい?…」


なんで、このヒト、私の名前知って…るの?


あ…あれ?
彼の顔をじっと見ると…


ふと、私の知ってる人の若い頃の顔と重なる…

あ、あ、あーーーーっ!!


「も、もしかして…もしかしてわ、わた…る?!…」


うそ?!
な、なんで?! なんで?こんなとこにいるのっ?!


「彩月! とにかく、医務室、行くぞ!」


私だとわかると、口調がガラリと変わった!
そして
床に座る私の両脇に手を入れ抱き起こし
私の腰を支えながら
医務室まで連れて行ってくれた


多くの人が利用するこの空港で
すれ違い様にぶつかったビジネスマンが、幼なじみだったなんて、
千夏が、めっちゃ喜びそうなシチュエーション…


そんなことを、前を歩く航を見ながらおもう

これから間に待ち受ける波瀾万丈ともいうべき出来事が
待ってるなんて、私たちは知る由もなくて…









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