花蓮~麻美が遺した世界~【完結】
「…とりあえず上げてくれる?」

「…あれ、朱美も」

朱美ちゃんに気付いた拓が、間の抜けた声を出しながら俺と朱美ちゃんを交互に見る。


「拓斗、いいかな」

「ああ」


イマイチ掴めていないだろうけど、拓は俺と朱美ちゃんを部屋に上げてくれた。


奥からは菜々美ちゃんが俺達を出迎える。
菜々美ちゃんは俺と朱美ちゃんの顔を見ると

「あれ、哲さんに朱美さんじゃないですか」

びっくりしながらぺこっと会釈をする。


「何か、飲み物用意しないと」

「あ、菜々美ちゃん。大丈夫、とりあえず座って」

「え?あ、はい」


立ち上がる菜々美ちゃんを制して、座らせる。
その隣に拓も座りこんだ。


俺と朱美ちゃんは二人の対面するように座ると

「俺達、付き合うことになりました」

言いたかったことを、簡潔に告げた。


沈黙する二人の顔をそーっと覗きこむと、二人は固まっているのか何も言わない。


「…て、あれ。何も反応なし…?」
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