和田菜月物語
「希ちゃん!!希ちゃん!!」

飛鳥は希ちゃんに問いかけた。
だが反応は無い。

「反応が無い…」

「の…ぞみ…ちゃん…」

「未来!!気をしっかり持て!!」

「だってお腹が…」

未来は希ちゃんのお腹を指差した。
そのお腹には『光る物』の跡がある。

「誰が希ちゃんに…」

未来は言葉を失った。
飛鳥は何かに気がついて立ち上がった。

「どうしたの?飛鳥ちゃん…」

「今すぐ呼ばないと…」

「えっ…?」

「今すぐ救急車呼ばないと!!希ちゃんが危ないよ!!」

「あっ…。本当だ…」

「じゃあ!!行くぞ!!」

「う、うん!!」

そう言って未来と飛鳥は職員室に向かった。
怒られる覚悟で…。

予想はピッタシだった…。

「こんな夜中に!!何をしてるの!?」

「すみません…」

カンカンに怒ってるのは教頭先生だ。
その隣に居るのは優しい顔をしている校長。

「まぁまぁ教頭先生、今日はこの子達のおかげで杉本先生の事が分かったんじゃないですか」

「そうですけど…」

すると校長は未来達の前に立った。

「2人共ありがとうね。2人のおかげで杉本先生は助かったんだよ。でも夜中に侵入するのはダメだね。今回は大事にはしないから、気をつけてね」

「はい…」

「それじゃあ今日は帰りなさい。明日は学校が休みだから杉本先生のお見舞いにでも行ってあげてください」

「わかりました…。失礼しました…」

未来と飛鳥の侵入大作戦は終わった。

そして明日には全ての事がわかった。
誰もが求めていた答えとは異なったが…。
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