和田菜月物語
再会

20歳

「菜月~!!遅れるよ~」

未来が私を呼ぶ声。
今日はみんなが集まる日の前日。

私達は20歳になった。
要するに成人したって事だ。

高校はみんなバラバラになった。
みんな夢を追いかけた。

私と飛鳥と未来と麻奈は時々会ったりした。
男子軍とは一切出会ってない。

今日は女子軍だけで集まる事になった。
すっごく楽しみだった!!

そのせいで…。

「何でこんな大切な日に寝坊するのよ!!」

「だって楽しみだったんだもん!!」

「さすが菜月だね…」

「そうかな…?」

「褒めてない!!」


本当に楽しみだったんだもん。
とは、言わなかった。
恥ずかしかったし。

今日はみんなで食事をする事に。
本当は10時集合だった。
でもちょっと早めに集まる事になって寝坊した。
迎えに未来が来てくれて正解だった。
けど飛鳥と麻奈が居ないのが気になった。

「ねぇ未来。飛鳥と麻奈は?」

「集合場所に直接来るって」

「へぇ~。あっ!!そう言えば未来!!」

「ん?」

「雅木とはどうなの?」

私の質問に未来は黙り込んだ。

「どうかしたの…?」

「う、ううん!!順調だよ!!」

「そう…。なら…、良かった!!」

「ありがとう!!」

きっと何かあるはずだ…。
でも聞くのはやめた。

これ以上聞いて未来を追いつめる事はしたくない。

「そ、それより!!明日だね!!大川君!!」

「えっ!?あ、うん!!」

「迎えに行きなよ…」

そう言って未来はまた無言になった。
私は雅木に明日直接聞こうと思った。

「それよりさぁ…」

私は未来にまた質問した。

「明日の場所ってどこ?」

「あぁ…。明日は由紀の家だって」

「誰情報!?」

「高島君だよ」

「せなか…」

そしてまた無言に…。

未来は中学の頃とまったく変わって無い。
気まずくなったら無言になる癖。

私は何か変わったかな…。
そんな事を考えていた…。

「ここだよ」

そう言って着いた場所は貸し切りのお店。

「何で貸し切り?」

「あれ?言ってなかった?」

「何を?」

「ここ麻奈のお店だよ?」

「えっ!?」

私はビックリしながら中に入った。


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