和田菜月物語
教室では私を見てガヤガヤしていた。

「菜月」

飛鳥は心配そうな顔をしていた。
私は、笑顔を返したら飛鳥はホッとしたらしい。

でも、クラスの中から聞こえる声は
ほとんどが女子。

「和田さんって飯沼君の事好きなのかな?」
「ブスなくせに」
「気取るなっつーの」
「いきりにブスって最悪じゃん」

私の気持ちは少しづつ折れそうになった。

その時
 
 バンっ!

みんなが一気に静まり返ったぐらい大きな音で机を叩いたのは亮磨だった。

「お前らかっこ悪いとわからねぇか?」

険しい表情の亮磨に圧倒されたかみんなが静まり返ってしまった。

「ありがとう…」

照れて言う私に亮磨は笑顔で

「気にするなよな!」

そして二人で微笑みあった。

「はいじゃあ聞いてくれる?」

希ちゃんはどうやら疲れているようだ。
顔が真っ青だ。

「11月の4日に毎年恒例の行事がある」

みんながざわめいてきた私もそんなに早いのかと思った。

今は10月25日だ。

「静かに!その行事はクラスの団結力がどれだけあるかを競う」

みんながまた静まり返った。

「詳しい内容はプリントで、
じゃあその実行委員をやってくれる人は…」

「はい」

そのとき手を上げたのは

永田星螺
元気な女子で、音楽が上手だ。
クラブも吹奏楽に入ってる。
いつも、善崎綾と居る。

「じゃあ、星螺と…」

その時目があった人の名前を出した

「相川で」

「はっ!?」

この実行委員で行事は変わってしまったのかも…しれないと思った時には
もう遅かったのかもしれない…たぶん。
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