王子様たちのひまつぶしっ!?
暗くてよく見えないけど、月の光に照らされてほんの少し見える俊君の表情は真剣そのもの。


なんとなく、身構える私。

なのに。


「葵ちゃん、もらってもいい?」


次に俊君の口から出てきた言葉は、これだった。


もらっていい?って、私は犬か猫ですかい?


「ねぇ、いい?」


ゆっくりと。周りを見回しながら確認をとっていく俊君。


ほぇ?なんで凪君と理人君と海斗の方を見るのさ?


「あのねー、俊君。何言ってるか分かんないよ?もらうって何?私犬じゃないよ?」


「そういう意味じゃないよ」


「えー…?」


「好きんなっちゃった」


俊君はそう言ったかと思うと、私にだんだんと近づいてきて…


ちゅっと音をたてて私の頬にキスをした。
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