王子様たちのひまつぶしっ!?
放課後。

俺はいつものように第四音楽室にあるピアノの上に座る。

目の前では、さっきの教室での出来事で葵が俊にからかわれていた。

「くすっ」

ふいに隣から聞こえてきた笑み。

…理人?

一瞬、何が起こったのか理解できなかった。

理人が笑ったところなんてはじめてみた。

だけど理人は、俺がなんかあったのか?って聞いても別にってそっぽを向いてしまう。

ないわけないだろ。

もしなんもなかったとして笑ってたら、変な奴だろ。
そんなことを思っていると、ガラッと扉が開いた。

「っ…!」

入ってきたのは天王寺海斗。

「あいつっ…」

だめだ。

最初に“付き人”について話しとけばよかった。

「泣くなよ」

俺はそれだけを葵の耳元で呟いて、葵から離れた。

 
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