パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
第4章 チェリーピンクの決意


~一途~



「……で、どうだったの?雨宮奈桜の反応は?」


「どうって……」


淹れてくれたばかりの紅茶をピンクに濡れたくちびるに含ませる。
柑橘系の甘く爽やかな香りが鼻をくすぐった。
久しぶりに取れた休み。
何ヵ月ぶりだろう。
さとみは子供の頃から親友の、関本 茜(せきもと あかね)の家に来ていた。
茜とは何でも話せる間柄で、一番の理解者だと思っている。


「念願の雨宮奈桜に告白したんでしょ?」


「そうだけど」


カップの縁についた口紅を指で拭って小さなため息をついた。


「特に何もなし。当たり前なんだけど」


「雨宮奈桜は何も言わなかったの?」


結構、グイグイ聞いて来る。
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