書くの神


一分。

二分。

時が経てば経つほど、目が冴えていく。
するとどうだろう。消えかけたいた言葉が形となり、身体を駆け巡る。どこからも出ていけず、暴れまくっている。

「やっぱり居たのか」

ぼそりと呟き、枕元で充電していた携帯を手に取る。

画面のディスプレイの眩しさは、私に寝ろと叫んでいたが、文字がそれを許してはくれない。

サイトを開き、私のページへ。

新作を作成する。

ずっと思い描いていたタイトルを打ち込むと、胸のつかえが取れた。パズルのピースがハマったように。

気がつくと、私は携帯を握りしめたまま眠っていた。

一気に40ページほど、書き上げて。

寝不足の顔に、熱いシャワーを浴びた。

思ったほど疲れはない。それどころか、言葉たちを解放して刻んだことで、心が満たされていた。

やっぱり居るんだ。

あいつは急に現れる。

そう。

書くの神。


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