俺様王子とキケンな契約!?
「ハッ、笑かすなよ。何が俺じゃダメ?オレから香純を奪ったのはお前だろ!?あのときお前オレに言ったよな。俺が香純を大切にするって。だからオレはお前に……!」
胸ぐらを掴む力を強めると、零士はその手を振り払った。
「分かってる。でも、振られたのは俺だ。やっぱり香純は聖じゃないとダメなんだよ。お願いだから、香純だけは許してほしい。」
何頭下げてんだよ。
そんなんで許されるとでも思ってんのか。
「オレがどんな思いでアイツを手離したと思ってんの。振られた次いでに芽衣とも付き合ってんだろ。アイツだけは適当に扱っていいヤツじゃねぇんだよ!」
そう言い捨てると、零士の顔色が変わった。
「適当?それは聖のほうでしょ。俺は真剣に芽衣ちゃんと付き合ってる。黙ってたけど聖にも非があるんじゃねぇの?香純に捨てられるようなことしたのはお前だろ?そんなヤツにどうこう言われる筋合いないと思うけど。」
強気でそう言う零士に、カッとなって気づけば手が出ていた。
「ほら、聖って昔から手が先に出るよね。」
あっさり躱されオレは地面に伏せた。
「……っ、お前みたいなヤツに芽衣は渡さねぇ。」
「渡さないって、いつから芽衣ちゃんは聖のものなの?……どっちかっていうと俺のもんでしょ。」