俺様王子とキケンな契約!?
「だったらオレと寝ろよ。…それであの言葉なかったことにしてやるよ。そうすれば、アイツにも裏切られた借りが返せる。」
「……っ、何言って」
『芽衣、オレから離れんな。』
『あたしは裏切らないよ。』
あの夏祭りの日。
あたしは神矢くんの力になりたいと思った。
あたしがいることで神矢くんが救えるならって……
今更、なかったことになんか出来ないよ。
「やっぱり、こんなのおかしいよ。いつもの神矢くんじゃな────」
そのとき、グラッと視界が揺らいだ。
背中に感じるのは、フローリングの冷たさ。
なのに、身体は熱を帯びるばかり。
そして、あたしに覆いかぶさった影がゆらりと揺れた。
「お前、オレのことナメすぎ。いつまでも同居ごっこじゃねぇんだよ。」
前髪が垂れて表情がわからなかったけどその瞳は壊れそうなくらい切なかった。