俺様王子とキケンな契約!?
「……零士…くん…?」
その声に少し反応した身体はギュッとあたしの身体を優しく抱きしめる。
「……卑怯だと思ってる。こんなことして。もう、何しようと俺に気持ちないこと分かってるんだけどね。」
そう言って、零士くんはあたしを離した。
「でも、やっぱりほら…好きな子には笑っててほしいじゃん。」
なんて微笑む零士くん。
あたしはこの人の笑顔を奪ってまでもどうして神矢くんなんだろう。
こんなにも前までは零士くんで頭がいっぱいだったのに……
いっぱいだったはずなのに……
「零士く、ん…あたし……フられ、ちゃった……」
いつの間にか考えることは神矢くんのことばかりで。
気づけば、こんなにも好きだった。
また涙を流すあたしに、零士くんは何も言わずただ背中を撫でてくれた。