ぼくらのうた

―5つの楽譜




 緊急ニュースですッ!

 春樹が…あの春樹が…小ザルの仲間でしたッ!!


「うそ…ついてたの…??」

「言ってなかっただけだろ?
 まあ、あそこで藍架に会うとは思わなかったけど」


 ヘラヘラした笑顔。

 あたしは…騙されてたの…?

 春樹のことは、信じてもいいかなって…思ってたのに。

 だったら丁度いいよ…

 こいつら共々、言ってやる…ッ!


「あたしは!!あんたたちの仲間になんかならない!!
 なんで人の事情も考えずにそうやって自己チューなの?!
 ありえないっ!!
 ちょっとは人の気持ちも考えなさいよ!!
 あたしは…っ、あたしは…バンドになんか入らないッッッ!!!!」


 はぁ…ッ!

 大声で言ったから頭痛い…ッ!

 でも…でも、これでいいんだ。

 あたしはバンドになんか、入りたくない!!


「…ふ〜ん」


 ―ビクッ

 ちょ、なんでビクついてんのよ、あたし!

 あたしは…自分の意見を、言っただけ…。



< 24 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop