【完】君に贈る歌


俺がステージ袖に着いた頃にはもう俺の前の人が歌い終わっていた。



「ありがとうございました!!いやぁ素敵な歌でした。素人さんだとは本当に思えませんね!!では審査員の方に得点をつけてもらっている間に・・・最後の方をご紹介いたしましょう!!」



ステージのライトが派手に入れ替わる。

司会者の人が音とライトを交互に見て俺の紹介をするタイミングを見計らう。



そして運命の時間は始まった。




「最後の方は橘翔太君。高校二年生!力強くも切なく儚い歌声に注目!また、作詞作曲全て自分で行ったとのことです。期待が高まりますねぇ・・・。では審査員の方の得点付けも終わったようなので、ご本人に登場していただきましょう!!」



ワァーっと観客の声がスタジオ内に響き渡った。


それと同時に俺はスタッフに「どうぞステージに出てください」と言われステージへと向かう。



大きな拍手と眩しいスポットライトが俺を包み込んだ。



「では、歌っていただきましょう。橘翔太君で『君に贈る歌』」

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