ディスオーダー【短編集】

「……?!」


 この黒い手帳に書かれていることは、どういうことなのだろう?

 途中から日本語になっている。

 もともとは外国人が書いていたものだが、途中から日本人が書いた……?

 それに、内容的に今の私と同じ状況ではないか。

 食料も水もなければ、海を渡ろうとしてもまたここへ戻される……だって?

 当初のバカンスに来たような気分はどこかへと消え失せてしまった。

 もし、ここに書かれていることが本当なら、私はご飯や水を口にすることが出来ず、近いうちに死ぬだろう。

 そして、読んでいくうちに分かった真実。

 力もない、頼る人もいない私にとって、なんとも残酷なことがこの黒い手帳には書かれていた。

 いや、直接的に書かれていなくとも、これを読めば誰だって理解出来るだろう。

 私は何より、その真実が怖い。


 そう。

 ここは、無人島だ。


END.
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