ディスオーダー【短編集】
「そんなに死にたいのなら、早く死んじゃえば良いじゃん」


 母さんは驚いた様子もなく、納得した様子だった。



 次の日。

 パジャマ姿のままで自室からリビングへと向かう。

 今日は休日だから、学校へは行かなくていい。1日中ごろごろとして、自分の好きなことをしていて構わない。


「母さーん、お腹空いたー。今日の朝ご飯なにー?」


 階段を駆け下り、台所にいる母さんに声をかける。

 静寂に包まれた台所。

 いつも聞こえる爽快な包丁で物を刻む音は聞こえない。


「母さーんってばー!」


 ――台所に行くと、母さんはゆらゆらと揺れていた。

 首からロープが伸びていて、だらんと空中に身体を投げ出したかのような感じ。

 ギシギシと一定のリズムを刻みながら、ロープの先にある天井の木が悲鳴をあげている。
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