ディスオーダー【短編集】

 それからというもの、女子生徒は暇さえあればミミの悪口を言う。

 ミミが近くにいても、ミミの側に私がいて、女子生徒をジッと睨んでいても、女子生徒は気にせずにミミの悪口を言う。

 一種のイジメだ。

 でも、ミミに何もしないでと言われた以上、私には何も出来ない。

 女子生徒を睨み、黙って耐えることしか出来ない。

 大切な友達なのに、私はミミのために何も出来ないのだ。



 そんなある日、ミミは物言わぬ人形になってしまった。

 ピクリとも動かない、一言も話さない……そんな、人形に。

 ……死んでしまったんだ。

 死んでしまったんだ、ミミは。

 ずっと一緒だったミミは、私の前から、私の側から、いなくなってしまったんだ……。
< 3 / 100 >

この作品をシェア

pagetop