ディスオーダー【短編集】

 実際に閉じることはかなわなかった。

 なぜなら、私の身体の上で、ずしりとした重みが再び襲い掛かってきたから。

 しかし、さっきと違うのは、金縛りにあっていないことだ。

 私の身体は反射的に動き、重みの正体を確かめるべく、ガバッと掛け布団をめくりあげた。

 そこには、私の身体の上には、両目のない男の生首がおかれており、かつて両目のあった黒い空洞が虚ろに私を見つめていたのだ。

 両目のない男は、口だけを動かして言う。


「寝かさねぇーよ」


 やけにしわがれた声だった。


END.
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