ディスオーダー【短編集】

 はいずって逃げようとしたが、そいつの反対方向には背の低い子供がいた。

 ニタニタと笑い、見下ろしているかのように思う。

 逃げ場など、なかった。

 私に逃げ場など、なかったのだ。


「ボォォォオオオン!」


 再び発する嬉しそうな声。

 せまりくるそいつ。

 そして……私は大きなそいつと子供のそいつにはさまれ、潰され、ぐちゃりと音をたてて息絶えました。


「ボォォォオオオン!」


 時計が零時を告げました。

END.
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