ディスオーダー【短編集】
24 → 隣の死神くん
 アイツがこっちに転校してからだ、周りの奴らが次々と死ぬようになったのは。

 最初はニコニコと微笑みながら接していた女子生徒も、友達になろうと近付いていった男子生徒も、次第に不気味に思い初めて、ついに近付かなくさえなった。

 もちろん、俺も近付かないでいる。……まぁ、俺の場合、転校初日から“もともと”近付かなかったけど。友達になろうという気どころか、興味すらなかったし。

 とにかく、そういうワケがあって、今じゃアイツはいつもヒトリだ。今じゃ“死神”なんてあだ名が付けられ、みんなの間ではそう呼ばれている。

 そしてその噂の死神くんはというと、……不運にも、俺の隣の席だ。

 死神くんが転校してきたせいで人が次々と死んでいくにしても、俺は隣の席ながらもまだ生きているわけだし……まずいち、本当に死神くんのせいでみんなが死んでいくのか、よく分からないし。

 死神くんのせいだ!なんて、頭ごなしのそういう決め付けはよくないとは思いつつも、なんやかんやで俺も近付かないタチだからなぁ……。

 ははは。
 説得力は無し、と。
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