ディスオーダー【短編集】
 ――読み終えた私は、しばらくの間、開いた口が塞がらなかった。

 なんだ?この日記帳は。

 これがマナの死ぬ間際までに残した言葉だというの?

 この日記帳を読む限り、マナは世界を怨んでいた?彼氏を奪った世界を怨んでいたとでもいうの?


「天気が、雪……」


 そうだ。

 マナが自殺した日……あの日は道の上に降り積もるほどの雪が降った。

 だから、マナの遺体を見付けるまでに、かなり時間がかかったんだっけ。


 ……降り積もる雪が覆いかぶさっていて、埋もれていたから。


 マナが空から降る雪を彼氏のユキくんと見間違えたのか、はたまた、なぞらえていたのかは分からない。

 けれど、これだけは言えるわ。


「『さようなら!My World!』って、マナが屋上から飛び降りる前に叫んでいた言葉なのね……」


「道理で、醜いと思ったわ」


END.
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