眠り姫はひだまりで【番外編】


そのお母さんは実母ではなくて、お父さんの再婚相手であること。

実のお母さんは純くんがまだ幼い時に、家を出て行ってしまったこと。

それらを話す純くんの顔は、少し寂しそうだった。



「話してくれて、ありがとう」


私の家の前で来て、お礼を言った。

なんだか純くんの誕生日なのに、私の方がいっぱいもらっちゃったな。

笑いかけると、優しい笑みが返ってくる。

…嬉しい、なぁ。

「…ん。今度、色葉のことも教えてよ」

「うん」

そうして彼は、手を振って。


「バイバイ」

「うん。バイバイ、また明日!」


…少しずつ、近づいているかな。


王子様の隣が似合うような、そんな女の子に。

…眠りから覚めたら、その瞳を綺麗に輝かせることができるような。


きっとそんな、お姫様に。






Fin.
< 102 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop