眠り姫はひだまりで【番外編】


やっぱり性格は優しくても、二組の男子のひとりなんだなと思った。

…甘いよ。

甘すぎるよ。

あたしはたまらなくなって、彼に抱きついた。


「…すき!」


裕也くんは笑って、「俺が先に言おうと思ってたのに」と言う。

「…ごめんね。言わなくても伝わってるって、勝手に思ってた」

必死に首を横に振るあたしに、彼はふっと優しく微笑んで。


「…好きだよ」


そうして、あたしを優しく抱きしめた。


…こんな、あたしでも。

彼によって、甘い甘い、女の子になる。






後日。

裕也くんに『好きなタイプがふわふわ系女子ってほんと?』と訊くと、何故か笑われた。

『そーゆー子のほうが、喜んでお菓子とか食べてくれそうだなって思って、なんとなく言っただけだよ』

なんて言われて、あたしが落胆したのは言うまでもない。






Fin
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